1995年にリリースされたスピッツの名曲「ロビンソン」。
「ロビンソン」は、ボーカルの草野氏がタイ旅行で印象に残っていた「ロビンソン百貨店」を曲の仮称とし、そのまま「ロビンソン」という曲名で発売されたとい有名な逸話があります。
タイのロビンソン百貨店について解説していきます。
ロビンソン百貨店とは?

ロビンソン百貨店(โรบินสัน:Robinson Department Store)とは、その名の通り「衣類や日常生活品」を取り扱う総合デパートです。
タイの3大デパート(他は、セントラル・グループとザ・モール・グループ)の1つで、現在はセントラルグループの傘下となっています。
バンコクでは「セントラルプラザ(デパート)」が多いですが、地方都市では圧倒的にロビンソンの店舗が多くなっています(今後はロビンソンがセントラルに変わる可能性あり)。
地方都市のロビンソンは、市内中心部ではなく市内から少し離れた幹線道路に多いのが特徴です(ウドンタニ県を除く)。
なので、車以外で地方都市を旅行する方は、あまり見る機会が無いかもしれません。
セントラルグループなので、セントラルプラザと併設されていたり、同じセントラルグループの「TOPS(トップス)スーパーマーケット(食料品)」が入っていることが多いです。
ロビンソン百貨店の歴史

最初のロビンソン百貨店は、1979年ビクトリーモニュメント(2002年閉店)にオープンしました。
その後、1990年にアソークにスクンビット店をオープンします。
1992年にタイ証券取引所にタイ初のデパート(小売店)銘柄(銘柄コード:ROBINS)として上場し、拡大路線に舵を切ることとなります。
また、タイの優良上場企業50社としてSET50にも選定されることとなります。
- 1995年
セントラルグループが、ロビンソンの主要株主となる - 1997年
アジア通貨危機により株価が最高値の約100分の1になる - 2010年頃
業績が急回復し、2011年のランキングで「アジアの10億米ドル以下のベスト200」にランクイン。株価もアジア通貨危機前水準まで回復。 - 2014年
海外進出(ベトナムに2店舗) - 2016年
新形態である「ロビンソン・ライフスタイル」をロッブリー県に出店 - 2020年
1月2日をもってセントラルグループがロビンソン株を取得し上場廃止。セントラルグループ傘下に。
ロビンソン百貨店出店の歴史(初期のみ)は下記のとおりです。
支店名 | 県名 | 開業年月 |
---|---|---|
スクンビット支店 | バンコク | 1990年12月1日 |
バンラック支店 | バンコク | 1992年11月11日 |
シーナカリン支店 (シーコンスクエア) | バンコク | 1994年8月21日 |
ランシット支店 (フューチャーパーク) | パトゥムターニー | 1995年3月18日 |
ラムイントラ支店 (ファッションアイランド) | バンコク | 1995年6月1日 |
ウドンタニ支店 | ウドンタニ | 1995年8月30日 |
全ての店舗が、その地域のランドマークとなっていることがわかります。
まさに、タイの経済発展を支えてきたデパートであることを確認することができます。
消えゆくロビンソン百貨店
セントラルグループの完全子会社化により、ロビンソン百貨店の名称も消えつつあります。
変更前 | 変更後 | 変更年 |
---|---|---|
ロビンソン・メガバンナー | セントラル・メガバンナー | 2020年 |
ロビンソン・ウドンタニ | セントラル・ウドンタニ | |
ロビンソン・コンケン | セントラル・コンケン | 2021年 |
ロビンソン・ファッションアイランド | セントラル・ファッションアイランド | 2023年 |
ロビンソン・バンラック | セントラル・バンラック | 2024年 |
ロビンソン・シーコンスクエア | 閉鎖 |
ロビンソン・シーコンスクエアは、タイの各種メディアで30年の賃貸契約期限満期による閉店セールを流していたので、バンコク在住の方はご存じの方も多いと思います。
売り上げの多い店舗順にセントラルに変わっていっているように見えます。
「緑に白地のR」のロゴが消えていくのはなんとも寂しい気分です。
ロビンソン百貨店の実質1号店であるスクンビット店(ターミナル21アソークの横隣)は、いまだ健在です。
タイ旅行の際は、スピッツの聖地として是非訪れてみてください。