ラーマ7世王博物館(プラチャーティポック王博物館)は、チャクリー王朝7代目のプラチャーティポック王の生い立ちから所有物までが展示されている博物館です。
ラーマ7王は、1925~1935年のわずか10年間の在位期間でしたが、タイ王国(当時はサイアム・シャム)最後の絶対君主であり、最初の立憲君主です。
あまり普段言葉にすることが少ないので知られていませんが、日本もタイと同じ立憲君主制の国です。
ラーマ7世の名前である「プラチャーティポック王」から通称ポッククラオ王と呼ばれていました。現在、タイ国内にある「Phra Pok klao」や「Pok klao」とつく地名や道路などは、ラーマ7世の名を取って命名されたものです。
ラーマ7世王博物館の場所
ラーマ7世王博物館は、プラトゥーナームから出発しているセンセープ運河水上ボートの終着港パンファー船着き場の道路を挟んですぐの所にあります。
博物館は2棟あり、入口も分かれています。便宜的に、港に近い入口をラーマ7世王博物館、少し離れた入口をラーマ7世王博物館第2棟と呼ぶことにします。
ラーマ7世王博物館の案内KING PRAJADHIPOK MUSEUM

ラーマ7世王博物館は、複数の通りの交差点となっているパーンファーリラート橋に向かって入口があるうす緑色の洋風の建物です。扉を入ると短い廊下があるので、右側に進むと建物内に入ることができます。入場料は無料です。


建物内に入り右側にエトワール凱旋門の形状をした入口があります。
ラーマ7世とフランスは切っても切り離せない関係で、フランスのエコール・ド・ゲール(Ecole de Guerre)に留学しています。
中にはフランス留学時代の歴史やフランスから授かった勲章が展示されています。
また、世界最古の動植物園のひとつとして知られているベトナム(旧フランス領インドシナ)のサイゴン動植物園にブロンズ(銅)でできた象を寄贈しています。
このことから、エコール・ド・ゲールとサイゴン動植物園(The Bronze Elephant at the Saigon Zoo & Botanical)のスタンプを押すことができます。


1階の反対側(左側)は、入口に近い方から
- Introduction
- Princess of Sukhothai Palace
- The Supportive Royal Spouse
- Life after the Abdication
- Death in Exile
- Her Majesty's Magnanimity
- Passed away at Sukhotahi Palace
- Temporary Exhibition
となっています。
8番は先ほど紹介したエトワール凱旋門の形状をした入口の展示場です。
1~7番は、主にラムパイパンニー王妃(ラーマ7世王妃)に関する展示がされています。
Introductionのエリアでは、版画をする事が出来るため、子供連れの家族でも楽しむことができます。


2階へ上る階段は、左右に分かれており、右側は展示館、左側は放映室となっています。
階段を右側に上ると、入口付近には当時の世界情勢の説明があります。
さらに、奥の部屋は全てラマ7世の幼少時代から王位時代までがパネル形式で展示されています。
一方で左側の階段は、放映室になっており、10:30と14:30からの1日2回無音にて14分の映像が放映されます。
- Royal tour in northern siam (silent movie 14 mins)
- The Royal Coronation (日曜日14:30の放映のみ)
ラーマ7世王博物館第2棟の案内


ラーマ7世王博物館第2棟は、上記博物館の入口からラーンルアン通りを右折してすぐの所に入口があります。
入口を入って左側に見える建物が、ラーマ7世王博物館第2棟です(コーヒー屋の向かい)。
建物は、1階からも入れますが(非常口扱い)、正面の階段を上り2階が本来の入口になります。
1階から2階の入口へと続く階段には、1855年のボーリング条約(不平等条約)から近代化されるまでの歴史が掲示されています。
- 2階:Thai Politics and Government Exhibition
- 3階:The Foundation of Democracy Exhibition
- 4階:Temporary Exhibition
2階と3階及び4階の一部が展示場となっています(4階は図書館と併設されていますので部屋に入ったりしないようにしてください)。


2階の入口を入り右側に進んでいくと、放映室があり、さらに先にはパネル展示場となっています。
タイ・バンコクで有名な建物として民主記念塔(อนุสาวรีย์ประชาธิปไตย:アヌサワリープラチャティパタイ)とビクトリーモニュメント(อนุสาวรีย์ชัยสมรภูมิ:アヌサワリーチャイサモラプーム)があります。
そのうち民主記念塔は、ラーマ7世在位時代に絶対王制から立憲君主制へと変えた1932年のシャムクーデターを記念して建てられたものです。そのため、現在でも民主記念塔は改革・革命のシンボルとされています(民主記念塔はラマ7世王博物館から大通りを1区間挟んだ真正面に建っています)。
さて本題に戻り、2階には民主記念塔やビクトリーモニュメントをはじめとした改革・革命に関する歴史が展示されています。


2階から3階へは階段で上がることができます。
3階は民主化に関連する人物の紹介がされています。
プラトン(Plato)の言葉
freedom in a democracy is the glory of the state:民主主義における自由は国家の栄光です
また、タイの選挙システムについても学ぶことができます。
ラーマ7世王博物館第1棟はラーマ7世の歴史、第2棟は民主化の歴史について展示されています。
ラーマ7世王博物館は、ラーマ7世の事だけでなく、違った角度からタイを知ることができる貴重な場所なのでぜひ訪れてみて下さい。
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