ラーマ1世がバンコクに首都を移転(遷都)してから、最初の建造物が「サーンラックムアン」になります。注1
ラーマ1世(チャクリー王朝)が即位したのが「1782年4月6日」で、戴冠日が「1782年6月21日」になります。
「サーンラックムアン・クルンテープ」を建立したのが「1782年4月21日」なので、即位から戴冠までの間に行われたことになります。
まさに、チャクリー王朝・バンコクのシンボルといっても過言ではないお寺が「サーンラックムアン」です。
※ラーマ1世が即位した4月6日は「チャクリー記念日」、ラーマ10世が戴冠式を行った「5月4日(2019年)」は国民の祝日となっています。
「サーンラックムアン」とは?

サーン(ศาล)には「社(やしろ)・祠(ほこら)」と「裁判所」2つの意味があります。
「サーンラックムアン」の「サーン」は前者の「社・祠」を意味します。
タイのほとんどの会社(ビル・平屋問わず)やコンドミニアムの入り口付近には「サーンプラプーム(ศาลพระภูมิ)」と呼ばれる祠が祀ってあります。
もう一つの意味である「裁判所」ですが、奇しくも、「タイの最高裁判所」は「バンコクのサーンラックムアン」のすぐ隣の敷地にあります。
「ラック(หลัก)」は「柱・基礎」、「ムアン(เมือง)」は「市・町」という意味ですが、「ラックムアン(หลักเมือง)」とつなげて「City Pillar(市柱)」の意味をもちます。
「ラックムアン」は、「仏教・バラモン教・中国の民族宗教など」から伝来したもので、都市を建設する前に、縁起の良い重要な場所でシティーピラー(市柱)を祀る儀式を行うことから来ています。
「ラックムアン」は、各県の「県庁所在地」もしくは「旧市街」にあることが多いです。
「サーンラックムアン」の参拝方法

写真は「サーンラックムアン」の全体図になります。
敷地内の建物は以下の通りです。
- 仏像堂
- ラックムアンの複製
- ラックムアン(市柱神社)
- サーンテーパラック(精霊の祠)
- 誕生日仏陀
写真の左側(西側)が大通り側(大通りを挟んで「サナームルアン・ワットプラケオ方面」)、下側(南側)が「ラックムアン通り」になります。
通常の入り口は、西側(大通り側(Bの記号))の門で、入場料は無料です。
また、北側(1の建物の右側)の門からも入ることができます。
「7:00~18:00」まで参拝することができます。


参拝手順は以下の通りです。
- 仏像堂
仏像や仏陀の遺骨に敬意を表し、線香やろうそくを灯さずに蓮の花を一輪お供えします。 - ラックムアンの複製
拝殿:線香、ろうそくに灯をともし参拝します。線香、ろうそくをお供えし、仏像に金箔を貼ります。
屋外:市柱のレプリカに三色の絹布を結びつけます - ラックムアン
敬意を表して花輪を捧げます。(線香やろうそくを灯したり、金箔を貼ったりするのは控えましょう) - サーンテーパラック
5つの花輪を捧げて五大守護神を祀ります。 - 誕生日仏陀
誕生日仏陀に半分のオイルを補充し、ご加護を受けます。
残りの半分のオイルを洗面器に入れ、不運を追い払います。

「サーンラックムアン」は、「ワットプラケオ」や「ワットポー」を観光した後にそのまま立ち寄れる場所にあります。
バンコクで参拝したい方は、ぜひ訪れてください。
- バンコクで最も古い寺院は「ワットポー」とされています。「サーンラックムアン」は、バンコク遷都後で最も古い寺院になります。 ↩︎