世界一高い仏塔であるプラパトムチェディは高さ120.45メートル、直径65メートルを誇り、バンコクの西隣ナコンパトム県の市街地中心部にあります。
プラパトムチェディは、4世紀ごろ現在のスパンブリー県、ナコンパトム県、ラチャブリー県周辺にあったとされるスワンナプーム王国のモン族によって建てられたという説もありますが、ナコンパトム市街地周辺にあるチェディが6~11世紀に栄えたドヴァーラヴァティー王国時代のものが多数存在するため真相は定かではありません。
いずれにせよ、11世紀にクメール人によってビルマ風に変更され、ラーマ4世・5世時代に現在の釣り鐘型の仏塔となりますが、その後、崩壊・修復を経て1975年に現在の形状となりました。
プラパトムチェディองค์พระปฐมเจดีย์
プラパトムチェディは、タイ語で読むとオンプラパトムチェディです。
องค์(オン)とは、私が知っている限りでは、僧侶や仏像の数を数える時に使います。
1องค์(ヌンオン)、2องค์(ソーンオン)で僧侶が1人、2人、仏像が1体、2体となります。
タイで僧侶や仏像を数える時に、ヌンコン(1人)やヌントゥア(1頭)などと数えたらタイ人に怒られますので注意しましょう。
(そもそも数える機会はそんなにないかもしれませんが。。。正式には、プラヌンオンと言ったり、プラヌンループと言ったりします。)
あとは、あまり使いませんが、王族の人数を数えるときは、1พระองค์(ヌンプラオン)、2พระองค์(ソーンプラオン)と数えます。
数え方は日本語も難しいですが、タイ語も意外と難しいですね。
話がかなり脱線してしまいました。
プラパトムチェディーの敷地は正方形になっており、東西南北の4方向の門から入ることができます(バンコクから行く場合は東側から入るのが最も近い入口です。周りの道路は一方通行になっており、場合によって南側入口に誘導される場合がありますので、交通状況に従って入りましょう。)。
一方で、プラパトムチェディへは、北側(ナコンパトム駅側)もしくは南側から階段を登って行きます。
入場料は外国人60バーツと大きく貼られていますが、チケット売り場のようなものはなくどこで支払うのかも不明です。
プラパトムチェディを1周する方は北側、南側どちらから入っても構いませんが、時間が無い方は、北側が黄金の仏像(スタンディングブッダ)、南側が本堂になります。
敷地内の構造は、真ん中にプラパトムチェディがあり、それを囲むように全長約300メートルの内回廊(通路)、その外に外回廊があります。
内回廊と外回廊の間には、外壁があり外壁には様々な種類の仏像が祀られています。
また、外壁の東西南北に本堂を含め4つの部屋があります。
プラパトムチェディの巡り方
プラパトムチェディの巡り方の1例をご紹介します。
まずは、北側の入口から入り階段を上ると黄金の仏像があります。
こちらの仏像は、Phra Rung Rojanaritという名前がついています。
当時、皇太子であったラーマ6世は、スコータイにあるシーサッチャナーライで仏像の残片を発見しバンコクに持ち帰りました。
※シーサッチャナーライ歴史公園(1991年に世界文化遺産登録)
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その後、仏像を再製しPhra Rung Rojanaritと名付け、このプラパトムチェディ正面に建てられた王室と関連のある仏像です。こちらの大仏前で参拝をし、時間があればそのすぐ右隣の敷地でも参拝ができます。
普通は黄金の大仏に参拝して、次に行ってしまうのですが、実は後ろに隠し部屋があります。
部屋に入ると中心に台座の上に立つ金の赤ん坊とそれを守る2体の女神?
この台座の中にラーマ6世が眠っているとされています。
ご丁寧に「金に触らないで」との注意書きがあるので、おそらく本物の純金が使われているのではないかと思われます。
奥にもう一つ部屋があり、石に座る仏像があります。
さて、外回廊を北側から東→南→西の順にまわっていきます。
東の部屋は、集会場になっています。
入ってよいのか分かりませんでしたが、ちょっと失礼して、集会場奥にあるレプリカを撮影。
本物とレプリカのコントラストの写真はなかなかお気に入りです。
南側の部屋が本堂になります。
本堂内は撮影禁止となっており、掲載できませんが黄金の仏像の参拝所となっています。
南側から入る場合は、チェディへと登る階段の中段に踊り場があります。
中段踊り場の中央に写真の石像がチェディを背に座っています。
南側中段踊り場の西側には仏像の部屋、東側には美術館があります。
石像の西側の部屋の仏像は、撮影時には気付きませんでしたが後光が差し込んでいるように見えます。
案内板にはブッダにより恩恵を与えられると書いてあります。
ご利益がありそうなので是非参拝しましょう。
石像の東側は美術館となっていて、こちらも館内は撮影禁止になっています。
入口でノートに署名をし、中に入ることができます。
日本を含めた世界各国のお金や骨董品が保管されています。
西側の部屋は、寝釈迦像が祀られています。
足を微妙に交差していて、非常にリラックスしたように見えまさに悟りを開いたといった感じでしょうか。
こちらの寝釈迦像は北枕にして寝ています。
また、西側の部屋と向かい合う場所には、小さな寝釈迦像があり、金箔を貼り付けることができるようになってます。
外回廊一周をご紹介してきましたが、チェディをもっと近くで見たいという方は外回廊と内回廊の隔てる外壁の数か所に入口があり中に入ることができます。
また、写真のように階段を上りチェディの1段目までは行く事ができます。
内回廊およびチェディ周りの通路はとくに何もなく、タイルが続いているだけです。
なので、一周しているうちにどこの入口から入ったか迷子になってしまうかもしれません。
世界一(タイで一番?)高い仏塔として知られているプラパトムチェディですが、正直な感想として、ミャンマーにあるシュエダゴンパゴダの方が高く感じました(首を完全に上に向けないとてっぺんが見えない)。
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白や金でこの高さであれば感動は人一倍なのでしょうが、この茶色のチェディが見栄え的に・・・。
ただし、この色だからこそ、夜に見ると風情・趣を感じさせてくれます。
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