タイでは「ワンプラ(วันพระ)」と呼ばれるブッダの日があります。
「ワンプラ」は祝日ではないので、敬虔な仏教徒以外は至って普通の日です。
ブッダの日である「ワンプラ」について解説していきます。
ワンプラ(วันพระ)とは?
タイ語でワン(วัน)は「日」、プラ(พระ)は一般的に「僧侶」や「仏像」を表す言葉で、「ワンプラ(วันพระ)」は「僧侶の日」または「ブッダの日」を意味します。
また、説法・教法を意味する「ダンマ・ダルマ」を聞く日と言うことで「วันธรรมสวนะ:ワンタンマサナ(安息日)」という言い方をする人もいます。
ワンプラ(วันพระ)はいつ?
「ワンプラ(วันพระ)」は1ヶ月に4日あります。
分かりやすく言うと、「満月」、「新月」、「半月が2日」の計4日となります。
ワンプラは、太陰暦(旧暦)をベースに定められています。
太陰暦では朔(新月)を毎月の1日と定めています。
朔(新月)から8日後が上弦月(半月)、さらに7日後が望(満月)、さらに8日後が下弦月(半月)、そして7日後に朔(新月)に戻る30日周期となります。
ワンプラ(ブッダの日)をタイ語では下記のように言います。
タイ語 | 読み方 | 日本語訳 | 月の満ち欠け |
---|---|---|---|
ขึ้น ๘ ค่ำ | クン8カム | 上弦の月 8日目 | 上弦(半月) |
ขึ้น ๑๕ ค่ำ | クン15カム | 上弦の月 15日目 (十五夜) | 望(満月) |
แรม ๘ ค่ำ | レーム8カム | 下弦の月 8日目 | 下弦(半月) |
แรม ๑๕ ค่ำ | レーム15カム | 下弦の月 15日目 | 朔(新月) |
その中でも、太陰暦4月(グレゴリオ暦2~3月頃)の上弦月15日目(満月)は「マカブチャの日」、太陰暦7月(グレゴリオ暦5~6月頃)の上弦月15日目(満月)は「ウィサーカブチャーの日」、太陰暦8月(グレゴリオ暦7月頃)の上弦月15日目(満月)は「アーサーハブーチャーの日」としてタイの祝日に設定されています。
この3つの祝日が、毎年日にちが変わるのは、太陰暦の十五夜に設定されているためです。
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また、出家する男性は、出家日である「ขึ้น ๑๕ ค่ำ:クン15カム」の1日前に髪を剃り坊主になります。
従いまして、「ขึ้น ๑๔ ค่ำ:クン14カム」の事を「坊主の日」と呼んだりします。
タイの壁掛けカレンダーや卓上カレンダーには、ワンプラの日が記載されていることが多いです。
ワンプラ(วันพระ)は何をするの?
ワンプラ(วันพระ)は、「วันธรรมสวนะ:ワンタンマサナ」と同義語であるため、ダンマ(教法)を聞く日となります。
普段着で行くのが一般的ですが、敬虔な仏教徒や出家などの儀式の際は白衣で行くことが求められます。
ワンプラの儀式は下記の手順が一般的です。
お寺のウボソットで僧侶が座っている前に座って(基本は正座)待機します。
- 僧侶が先に読経し、後に続けて復唱し祈ります
- 五戒を瞑想します(下記に五戒を説明しています)
- ダンマ(教法)を聞きます
- 瞑想します
- 僧侶へ日用品のお布施をします(สังฆทาน:サンカターン)
僧侶へ寄付されたお布施(สังฆทาน:サンカターン)は、ほとんどが洗剤や石鹸などの日用品なので僧侶が使いきれなかった分は、お寺にて低所得者層の人々に配られます。
タイ仏教の五戒とは?
五戒はタイ語で「ศีล5ข้อ:シンハーコー」と言います。
五戒とは、戒律を守るために行うべき5つの事です。
五戒の5つは「生物を殺さない・他人の物を盗まない・不道徳な性行為を行わない・嘘をつかない・飲酒や薬物使用をしない」の事です。
- 私たちは、生命の侵害を慎むことで戒律を守ります。
- 私たちは、持ち主から与えられていないものを持ち出さないことで戒律を守ります。
- 私たちは、性的不品行を慎むことで戒律を守ります。
- 私たちは、嘘をつかないことで戒律を守ります。
- 私たちは、不注意の原因となる飲酒や薬物を断つことで戒律を守ります。
私の友人の僧侶は、これに加えて夜の晩御飯を食べません。但し、お菓子は食べても大丈夫と言うことなので、「Big Roll」という海苔が丸まったお菓子を差し入れで持っていっています。
最後に、僧侶が五戒を読経している動画です。3分23秒~5分7秒まで。
五戒のタイ語は下記の通りです。